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その3 大好きな人

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言葉には不思議な力があるといいますが、どんなときでも言葉を大事にしたいと思うようになりました。

 

かなえさん95歳。
息子さん2人、娘さんが2人、4人の子どもに恵まれたかなえさん。息子さんは、すでに亡くなられていました。戸建ての家の真ん中には通路があって2世帯住宅のようでした。
片方には、亡くなられた長男のお嫁さんが住んでいますが、リウマチでかなえさんの面倒は全くできません。
それで、嫁いだ娘さん二人が一週間を曜日でわけて、交代でお母さんの介護に通っていました。

長女は歩いて10分くらいのところから、次女は、電車で30分くらいかけて来ていたようです。次女は、嫁ぎ先のお姑さんの面倒も在宅でされていましたからダブル介護でした。

かなえさんは、昔ご主人の仕事の関係で上海に住んでいたことこともあり、とてもおしゃれなお母さん。
若い頃から、踊りやピアノ、歌などの習い事をされ、お客様の前で、歌や、踊りを披露してい楽しんでいたと言います。上海のお話もよくうかがいました。

娘さんたちのお話では、かなえさん、昔は食べ物の好き嫌いが激しく、気難しくて、嫌だからデパートに食事に行きましょうという方だったようです。
少し認知症気味になったおかげで、その好き嫌いは緩和され、柔らかく、煮崩れたものでもこだわらずに食べるようになり、食事のお世話は苦にならなくなったそうです。
かなえさんの腰は曲がってしまっていますが、トイレは自分で行っています。

訪問の際には、全身のチエック、足指の巻き爪があるので手入れ、足浴をします。

私がうかがってご挨拶をすると、かなえさんは、とても丁寧な言葉で話しかけられます。

「ちょっとそこにお座りになって、私ね、今からお茶なの」とかなえさん。
娘さんに「お茶を入れて、こちらの方にも」と。

「私たちは結構ですから」と言うと
「そんなことおっしゃらないで、私のところにきてくださるのはみんなお客様なの」としっかりお話になります。
「私はね。好きな人がいるの」と。
「わかりました、お茶を頂戴します。」と私はこたえます。

すると、さらに「私は大好きな人がいるの。たくさんいるの」というのです。
「そうなの」と聞き返します。
すると、「沢山いるからいえないんだけれど、あなたもその中の1人よ。」と、にっこり微笑みながら返ってきました。
とてもうれしくなりました。
すてきなお茶のお誘いでした。
これには、娘さんもびっくりされていて「なーんていい言葉をいうんでしょう。」と。
わが母親ながら感心されていました。

次女は、こういう風に年を重ねるっていいなって思ったそうです。
ずっと介護をしていると苦しくなって息が詰ってしまうことがあるそうで、姑さんと実の母のW介護でどうなってしまうかなと、心配していたそうです。お姑さんを介護していますが、下のお世話をしても、あまりいい言葉が返ってこないそうです。

次女はかなえさんの介護からわかったことがあるそうです。
「実家で自分の母親を看てて、介護は毎日同じ繰り返しだけれど、たまにどなたかが来てくれるおかげで、こういう言葉をきけるとすごく癒されるわ。私はここにお世話をしにきているのではなくて、お母さんに癒されにきていることに気づいたのよ」と言っていました。

その後、かなえさんは、眠っている間に、自然に亡くなられたとうかがいました。

 

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